12月の食材

塩干魚類

マツバガニ(松葉蟹)、セコガニ(勢子蟹)

セコガニ(勢子蟹)

11月6日が解禁で、翌朝7日には初セリである。兵庫県日本海側の津居山、浜坂、柴山、香住の各漁港で水揚げされて、大阪市場に初入荷する。雌はセコガニといって11月から12月ごろが、値段も手頃であり、この時期、関西地域で人気がある。

解禁当初は、毎年、御祝儀相場で高値がはやされるが、10日を過ぎると雄の松葉ガニも共に比較的手頃な値段に落着いてくる。ここ数年、順調な水揚げがあり、昨年よりも1~2割位は安値になる予想である。

ボイルしたセコガニ(雌)は鮮やかな赤みで、美しい色で人目をひいている。手にもって重くてつやのあるものが良い。

数の子(カズノコ)

カズノコ(数の子・鯑)

鰊(ニシン)のことを北海道や東北ではカドといったので、カドの子がなまって数の子になったという。ニシンの卵巣を干物にしたり、塩蔵にしたりしたもの。

数の子を食べた記録は、京都に北陸路からの送荷の中に数の子があり、室町時代の記録》『山科家礼記』に1463年と1491年に食味したと記載されている。その後も豊臣秀吉が前田利家邸の能会(1594年)で「数の子」や「乾たら」を食べた記録がある。

今、市販の数の子は、カナダ、アメリカ、オランダ等の輸入ニシンから腹出ししたものを塩蔵加工したものである。戦前は大部分が干数の子であった。昭和30年代に入って、国産ニシンの消滅から輸入物に依存するようになり、優良な干数の子ができなくなり、冷凍した数の子を塩蔵加工するようになった。

干数の子は、米のとぎ汁に漬けて戻してから使った。塩数の子は薄い塩味が残る程度に塩を抜く。薄皮を取り、出汁に漬けてから糸かつおぶしをかけて食べる。

太平洋のニシン資源が減少したので、大西洋ニシンを輸入するようになり、大西洋ニシンの卵巣を数の子にしたが、味や歯ごたえが違うので、味付けしてから売るようになった。最近はカナダ物を中心にした<本ちゃん味付数の子>が増加した。それだけ数の子の食べ方の知らない人たちが増えてきたこ との表れである。

今年の数の子の市況は、長引く不況で消費が伸びず値段は過去最低のレベルになった。そのこともあり、化粧箱製品が大幅減産で、注文に応じて造るのが増加している。

棒鱈(ボウダラ)

棒鱈(ボウダラ)

大マダラを3枚におろし、頭と背を取り去って干したもの。ボウダラの歴史も古く、さきの豊臣秀吉が賞味した「乾たら」もボウダラだつたかもしれない。

寒波の吹く12月から2月ころまでの北海道の根室の海域で漁獲した1位の大きなマダラを稚内、利尻島、礼文島で乾燥加工し、関西市場では 年末に年1回の入札で取引する。 消費圏は岡山あたりから姫路、神戸、大阪、堺、岸和田まで、大阪から淀川を溯って京都、滋賀県、福井県、石川県、富山県あたりが正月に棒鱈を食べる。北九 州では毎夏の祭に食べる習慣がある。

最近は外国産の冷凍マダラを加工し佃煮風にしたものが販売されているが、本当の棒鱈を一週間以上、毎日2回、米のとぎ汁を交換しながら、ゆつくりと戻して炊いたものとは味がちがうし、風味もある。

ごまめ(ゴマメ)田作(たづくり)

ごまめ(ゴマメ)田作(たづくり)

祝に集まった子供、孫、ひ孫たちが、じゃこやモロコのように群がっている様を祝う縁起物。昔は田植えの祝肴に利用したり、干イワシを田の肥料にしたことからついた名前。 造り方は、カタクチイワシの干したものを頭と尻尾を焦がさないようにから煎りにする。鍋に砂糖、醤油、酒、味醂を入れて溶かし、 弱火で蜜を作る。蜜が熱いうちにカタクチイワシを入れてまぶす。

今年の市況はまだ書けないが、魚体、品質、相場の動きは昨年並の見通しである。

紅白蒲鉾(カマボコ)

紅白蒲鉾(カマボコ)

大阪湾で獲れた魚類を原料にして造った蒸蒲鉾で、祝儀用として来客には必ず出されたもの。昭和40年代からは大部分の蒲鉾類は、スケトウダラの冷凍すり身を使用し、調味料で味付けするようになって、昔の味わいがなくなった。本格的な魚のすり身の蒲鉾は、値が高い。

海水魚介類

フグ(河豚)

フグ(河豚)

漢字で「河豚」と書くのは、中国の長江(揚子江ともいう)の河口から200Km上流でも名産になっていることと、腹を膨らませた姿が豚に似ているので「河 の豚」と書くという。大阪市場に入荷するフグはトラフグ、カラスフグ、ショウサイフグ(一名ナゴヤフグ)、サバフグである。

トラフグ(白)は河豚の中で最も美味である。天然物が中心であった。今年は伊勢湾、遠州灘の天然フグが12年振りの大量入荷に、中国物が飛躍的に伸び、昨年の倍と予想されて4割安になっている。最近は養殖物も増え、1月のおすすめ品にも養殖フグを取上げた。天然物は値段が高く、養殖物のフグは安い。

カラスフグ(黒)は味も値段も落ちるが天然物で養殖フグにはない。トラフグの鰭(ひれ)は白いが、カラスフグは黒い。ショウサイフグの 皮は金色、サバフグは黒い縞模様が特色である。 全国でフグを一番食べるのが大阪であるが、大阪では「フグ」といわず「テツ」といってきた。明治5(1872)年8月17日に(北区)天満町の旅籠屋でフ グの肝を食べた5人のうち、2人がフグで中毒死したため、大阪府では9月8日以後、食用、売捌きを禁止した。以後「テツ」という名前で売買するようになった。

その後、明治16(1883)年に泉佐野の漁師が、フグを一度に4匹も食ってフグ中毒死した。大阪府警の取締で、正式にフグ販売禁止を 徹底させた。そのためか、大阪ではフグのちり鍋を「テツちり」といったり、フグの刺身を「テツさ」といってフグとはいえなかった。テツは鉄砲の略で「あたれば死ぬ」という意味。大阪だけの呼び名らしい。

昭和6(1931)年に大阪市中央卸売市場が開業してからも正式に取扱えず、場外の特定業者だけの取扱品になり、戦後になっても続いていた。その後、若手 の仲卸業者が運動した結果、昭和43(1968)年12月16日から初めて正式に上場され、セリ取引がはじまった。現在のフグの取扱は、全国の7割を占めるといわれている。天然フグはもとより、養殖フグも大阪市場がなければ消化しないといわれている。

養殖真鯛(マダイ)

養殖真鯛(マダイ)

スズキ亜目タイ科の海産魚で、タイといえばマダイのことをさし、チダイ、レンコダイ、クロダイ(チヌダイ)など多数あるが、タイ科以外のものもアマダイ等、タイの名前を付けた方が高く売れるというので○○ダイと呼ぶものが多い。

マダイの養殖は、昭和40年代からはじまったが、クロダイのような黒い皮肌で、消費者にとっては魅力のあるものではなかった。昭和45年代に色付けに成功してから本格的に量産化ができるようになった。

養殖量が多くなり、魚の王様も値段が下がったままで、いまや魚の王座を失おうとしている。しかし日本人にはマダイが魚を代表すると評価することには代わりがない。

正月にはマダイの塩焼をお膳に供えたり、開干ダイを注連縄(しめなわ)に飾りつける地方もあり、食用だけでなく、福を招く縁起物としての役割も持っている。

天然連子鯛(レンコダイ)

天然連子鯛(レンコダイ)

東シナ海の底曳網漁業がはじまった大正期以後になって、関西の市場に本格的に入荷するようになり、とくに近郊農村の祝事などには馴染みのある魚である。マダイより黄色が強いが、腹がしっかりしており、日持ちがするので、輸送事情の悪かった時代には珍重された。

キダイ(黄ダイ)とも言われ、本州の中部以南から南シナ海に生息している。

養殖鰤(ブリ)

養殖鰤(ブリ)

ブリ・ハマチの養殖漁業は昭和35年以後、急速に発展し関西地方から普及した。数年遅れで関東圏に拡がるが、依然として天然のブリやワカシ・イナダ(関東圏の呼名)の消費が多い。

関西圏のブリの食べ方は照焼が主で、関東圏のように刺身にしなかった。その点、養殖ブリは造身にもなり、その歯ごたえのよさから、造身商材にもなり、焼魚でも利用できるので関西圏での消費は多い。

今年は在池量が豊富で潤沢な入荷見込まれている。相場は去年より弱含みで推移すると予想されている。

横輪(ヨコワ)

横輪(ヨコワ)

クロマグロの幼魚から若魚になる段階のもので、大阪、京都ではマグロよりも正月の時期には評価が高い。このヨコワが少し大きくなるとヒッサゲになり、高級料理店に好まれる。味が濃くなく、あっさりとした脂身が好まれている。

年末年始の食材として、料理屋等には必需のものである。

対馬周辺の釣物が主体で、旋網物が一部入荷している。11月末では高知・徳島・横須賀・御前崎方面から入っている。対馬物は極端に少なく、前年の3割程度。

今年は沿岸域の水温高の影響で、各魚種とも北上する傾向にあり、例年並の水揚げを期待するには、一層の冷込みが必要になる。

鰆・狭腹(サワラ)・狭越(サゴシ)

鰆・狭腹(サワラ)・狭越(サゴシ)

サワラは年末、年始の味噌漬用の魚として、大阪、京都ではあっさりとした白身が好まれる。味噌漬でなくても塩焼等の焼魚として、また、岡山市ではサワラの造りが、郷土料理として有名である。瀬戸内の岡山市の前浜で獲れるサワラだから造りで食味できたが、今日のように瀬戸内の漁獲高が昔に比べ半減した現在は、朝鮮海峡から東シナ海にかけてのサワラに依存せざるを得ない。

サゴシはサワラの若魚で、関西ではキズシにする。通常はサバのキズシが一般的であるが、正月には張り込んでサゴシを使う。かつては12月頃から朝鮮海峡に群遊してきたサワラ、サゴシが1月から2月にかけて旋網(まきあみ)で大量に漁獲されていた。

サゴシのきずしは、上品な味と銀色の浅い色合いが正月の松の内料理に合っていた。

サワラ・サゴシは瀬戸内・五島・対馬・土佐・紀州・豊後水道、東シナ海等で漁獲する。11~3月が旬であるが、4~6月ころには産卵のため瀬戸内に入ってくるサワラの腹子をとるので、鰆という字をつけている。

最近では中国の輸入物が中心になっている。今冬は中国が6月15日から9月16日まで夏場を禁漁にしたためと、海水温の上昇で、九州から 日本海の新潟沖までかなり広範囲で水揚げされている。そのため韓国の水揚げが落ちており、少し様変わりしてきた。国内物の好漁と、中国物の入船が思わしくないので魚値は低迷しているが、12月の暮には需要も高まりそうだ。

養殖ハマチ

養殖ハマチ

海面養殖漁業が本格的に成功したのはこの養殖ハマチが初めである。養殖施設も築堤式から、小割網仕切式になって、まずハマチ、ついでブリにまで成長させることができた。昭和40年代から量販店の全国展開で、西日本の店舗でのハマチ・ブリの拡販販売が可能になった。

養殖ハマチの活造りはこりこりして関西人の口によく合うが、天然魚のハマチは氷〆のため身が軟らかいので、煮炊用の食材になり、造りにはしなかった。

香川方面のものが入荷の中心になるが、在池量は豊富にあり、浜値は弱含みで推移するとみられ、去年より安い傾向にある。

鯖(サバ)

鯖(サバ)

秋サバ、寒のサバといわれるように、寒くなると脂がのって一段と味がよくなる。年末の多忙時や年始の来客用に、サバの塩焼や、キズシにして、不時の来客用に備えるにはもっこいの食材である。

サバの漁業資源は減少期に入り、昔ほど獲れなくなった。これは60周年期とか、40年周期とかいわれているが、まだよく解らない。サバについては、北海サバといって大西洋サバが北欧諸国から輸入されている。背中の青い筋の色の濃いのが北海サバで脂が濃くて、塩漬にする時、よく塩が身にまわらない。関東圏の人たちにはあまり抵抗がないようだが、関西圏では従来の太平洋サバ(本サバ)の方に人気がある。もちろん値段が違い、本サバは高い。北欧諸国から中国に輸出され、塩サバにして日本に輸入されて、特売用に安売りされているので、背中の青い色の濃いのをよく見ると解る。

今、市場に上場される塩カズノコは、カナダ物、ローカル物、ブリストル物、ロシア物、韓国物、北朝鮮物、大西洋のヨーロッパ物、カナダの大西洋物がある。

このうち太平洋系のものが、通常の塩カズノコであり、大西洋系のものが味付カズノコで販売されているもの。同じニシンでも太平洋と大西洋とでは、その卵も、日本人には口ざわりが違う。

伊勢海老(イセエビ)
伊勢神宮の神威にあやかる

正月のお鏡の上に白昆布と一緒に伊勢海老をお飾りにするのは、大阪の商家の習わしであった。イセエビは、昼間は岩棚に潜んでいるが、暗くなると小動物を求めて出歩く。浅海の岩礁に棲み、季節による深浅の移動が少しあるだけで、あまり移動しない。

そのため夕方陽の暮れるまでに、岩礁の巣穴の入口に建網を立てかけておき、夜明け前に網にかかっているイセエビを捕獲する。最近は資源も減少しているので、養殖に期待されているが、まだ成功していない。現在は漁獲したものを短期的に蓄養の程度である。

需要が旺盛であるので、外国からの輸入量が多い。

外国産のイセエビには、アメリカ産、ヨーロッパ産、オーストラリア産等がある。このほか、ロブスターといって、オマールエビやアメリカンザリガニなどもある。

車海老(クルマエビ)
腰が曲がるまで長生き

正月の縁起物の一つにクルマエビがある。最近のクルマエビの供給は大部分養殖物である。クルマエビの養殖は、明治22年ころ愛知県からはじまり、同33年には山口県で成功した。同35年には熊本県でもはじまり、昭和12年の戦争突入で、戦前までの幕をしめる。戦後は昭和23年ころから復活するが、本格的になったのは昭和35年からである。いまでは国内だけでなく、台湾、中国を含め周辺諸国から養殖クルマエビを輸入し、冷凍エビも含めると世界で2番目の輸入国になる。

昭和40年ころまで大阪では、東シナ海で漁獲した大正エビ(一名青島エビ)が大量に入荷し、安い値段で煮エビや、フライ、テンプラに利用されていた。このエビは乱獲のため、日本の漁船はすでに引揚げ、他の魚類に混じったものしか入荷しないようになったので目にふれる機会も少ない。

現在大阪市場に入荷している養殖クルマエビは、沖縄・鹿児島・熊本・大分・愛媛が主で、入荷量も昨年並で、相場も昨年並が予想される。

淡水魚介類

海鼠(なまこ)

海鼠(なまこ)

なまこの種類は数百種があるが、食用となるものはマナマコとキンコ位で、あとは肥 料にされる事が多い。 なまこは、日本各地の沿岸に生息し、岩礁や砂地により体色が変わる。岩礁地帯は赤なまこで、砂地は青なまこが多い。

関西と関東では好みが違い、関西は色合いと歯ごたえから赤なまこを好み、関東は軟らかさから青なまこを好む。赤なまこの相場は、青なまこの倍以上している。

食べ方は酢の物が代表的で、薄切りにした物に大根おろしを加え、三杯酢で食べたり、ウドやキュウリ、モズクなど色々な物を加えて酢の物も色替わりして面白い。なまこは食べると美味しいが、見た目は気持ち悪いので調理できない方は、スライスしてパック詰したものや味付けしたものを利用したら良い。

なまこの内蔵や卵巣を塩漬けしたものを「コノワタ」や「コノコ」といって酒の肴として有名である。中国では、なまこを丸ごと茹でて乾かしたものが、中華料理の高級食材として日本にも輸入されている。

栄養分はコンドロイチンという成分が含まれていて、高血圧には効果があり、なまこから抽出されるホロトキシンという成分は殺菌効果があることから、水虫の治療薬として実用されている。

なまこは徳川時代、中国への重要な輸出品であり、幕府は各地の漁村に供出を命じていた。海鼠の腸を抜いて熬(い)るか煮熟し、炉上か天日で乾かしたもの。古代 から諸国で徴収していた。近世になると清国への貿易品であった「俵物(ひようもつ)」の一つになる。 年末の入荷予想は、瀬戸内・鳥取・伊勢・鳥羽方面からで、主力は伊勢・鳥羽方面になり、瀬戸内や日本海方面は年々減少している。

野菜類

京芋(きょういも)

京芋(きょういも)

京芋は棒タラと一緒に煮く。下の方が太くて先がちょっと曲がっているところが、海 老(えび)に見えること から名が付いた。腰が曲がるまで長生きすることを願って、正月料理に使う。味にコクがあり、煮ころがしなど美味しい。関西ではよく食べられるが、関東では 業務用が中心である。

京芋にはいろいろな栄養が含んでいるが、特にカリウムが多い。

八頭(やつがしら)
万時、人の上に立つ頭になる

八頭は真中を中心に8つの瘤(こぶ)があるので、八頭という。八は末広がりの意味をもち、頭は人の頭にたつということから、縁起のよいたべものとして正月料理に使う。

以前はかなりの期間出回っていたが、最近は年末のころしか出回らない。肉質が緻密でしっかりしているので煮崩れしないし、味もなかなかよい。

牛蒡(ごんぼ-ごぼう)

牛蒡(ごんぼ-ごぼう)

牛蒡はキク科の2~3年草で、原産地はヨーロッパからシベリアにかけてとされる。欧米ではたべない。日本独特の野菜で平安時代から食べていた。

牛蒡は皮と身の間に旨みと香り、栄養があるので、きれいにそぎ落とさないこと。

牛蒡は食物繊維を多く含んでいるので動脈硬化や成人病の予防に役立ち、大腸がんの発生を押さえることなどで見直されて、人気上昇中の食品である。

竹の子・筍(たけのこ)

竹の子・筍(たけのこ)

竹の子は中国が原産で、日本へは1532年琉球を経て、薩摩の島津藩に伝わり、各地に広まった。ただし京都の筍は、1400年代に唐の国から伝来した独特 の筍が生産されている。竹の子は地下茎で繁殖する宿根性の作物で、根付けてから4~5年目が最も生産量が多いとされている。いろんな料理方法があるが、正月料理は煮物にして。

慈姑(くわい)

慈姑(くわい)

くわいは日本にも中国にもある。中国のくわいは白くわいが多く、日本の場合は青くわいが中心。青くわいはきれいな翡翠(ひすい)色をしたちょっと面白い形 の根菜である。以前はそれほど特別な食べ物でなかったが、ひと皮むくと芽が出ているところから「芽が出る」縁起のよい食べ物として、お正月やおめでたい席の料理を中心に使う。

食べ方は芽の外皮をむいて、芽を半分ぐらい残して先を切落とす。ひすい色の皮を包丁でむき、身を六角に切る。白煮といってある程度軽く茹でてから、好みの味付けをする。含煮(ふくめに)、煮染(にしめ)、中華風の炒めもの、薄くスライスして揚げ、塩を振りかけて"くわいせんべい"を造ると美味しい。

くわいには、タンパク質、糖質、リン、カリウム、ナイシアンが多い。

蓮根(れんこん)

蓮根(れんこん)

れんこんはスイレン科に属する多年性の水草で、ハスの肥大した地下(水中)茎である。中国原産説と、エジプト説がある。日本へは1500年前に中国から渡来した。

れんこんの主成分は澱粉(でんぷん)である。ビタミンCは100g中、50で、野菜種では中程度、灰分中のミネラル含有量も比較的高い。切ったれんこんが黒く変色するのはタンニンと鉄分によるもので、タンニンには止血作用がある。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合など、れんこんの絞汁を飲むと効果がある。また鉄分は貧血によい。

果物

苺(いちご)

苺(いちご)

バラ科の多年草で、12月の入荷は主に熊本、福岡、佐賀、香川の各県からのものが出回る。ビタミンCを多く含み、疲労回復、風邪の予防、肌を整える効果がある。

選ぶときは、果皮の赤色が濃くてヘタが濃緑で形のよい物を選ぶとよい。保存は品種によって異なるが、おおむね常温で1~2日、5度位で3~5日程度が限度である。いちごの実は、花を支えている花托が発達して大きくなったもので、表面の粒々が本来の果実である。

今人気があるのが、とよのか、女峰、さちのか、さがのかが主な品種である。

西洋梨(洋なし)

西洋梨(洋なし)

原産地はヨーロッパ中央部から地中海沿岸地方と言われている。日本には明治初期に入り、今では山形、長野、北海道が主産地である。

果肉が柔らかく、ねっとりとして香の高いのが特徴である。選び方はしっとりとして形が整って表面にキズのないのを選ぶと良い。果皮が黄色く変化し、手に持って柔らかく感じ、香が強くなって来たら食べ頃で、冷蔵庫で数日間保存ができるが、室温では自然に追熟が進む。

糖尿病(血糖値のコントロール)、血中のコレストロールを下げる効果があるされる。 ラ・フランス、ル・レクチェ、バートレットが主な品種である。

この月のおすすめ果物:リンゴ、ミカン、干柿、富有柿、和ナシ