3月の食材

鮮魚

メバル(目張)

メバル(目張)

カサゴ目のフサカサゴ科の海産魚。メバルは名のとおり、身体のわりに目玉が大きい。体色は場所、水深によって灰赤色、黒灰色に変わる。関西ではクロメバルとタケノコメバルが一般的である。日本各地や朝鮮半島の藻場や岩礁域に生息している。季節になると群れから単独のなわばり行動に移る。2~3年魚以上が生殖に加わり、11月頃1対の雌雄が直立して腹を接して交尾する。卵胎生で体内で孵化した仔魚は1~2月に沖合で産み出し、全長2センチ位まで浮遊生活して、出産後約1年して内湾の藻場にきて春と夏を過ごす。成長するとしだいに藻場を離れ、岩礁地帯に移動して全長11センチくらいになると、藻場にいなくなる。礒釣・船釣の好対象魚である。

一年中食べられるが、春が旬である。タケノコの出る時期に獲れるのでタケノコメバルという。20センチくらいのものが一番おいしい。目が透きとおって光沢があるものが新鮮である。白身の肉は淡泊で身がしまり、造り、煮付、鍋物、塩焼にする。煮付には丸ごと煮ると、頭からダシがでておいしさが増す。

サワラ-サゴシ(鰆-狭越)

サワラ-サゴシ(鰆-狭越)

関西では、若魚の50センチ位までのものをサゴシといい、70センチ位までをヤナギという。大きくなると全長1.5メートル位になる大型魚で細長くて口が大きい。歯が鋭いのが特徴で、体色は背部が青黒色で腹部は銀白色である。体の側面には小さい黒灰点が散在している。沿岸の多少汚れた海域を好んで生息し、海 面の表層を泳ぐサバ類やイワシ類を食べる。性格は獰猛である。

白身の魚で、産卵のため回遊してくる瀬戸内でよく漁獲されたが、最近では東シナ海や西九州(長崎県、福岡県)に漁場が移っている。とくに今年は、大型のサワラの漁獲が少ないが、小型のヤナギやサゴシは順調な入荷が予想されている。

少し水気の多い魚であるが、鮮度のよいものを造りにすれば抜群である。そのほかに塩焼、照焼、つけ焼、魚チリ用(鍋物)に重宝し、冬季には味噌漬が珍重されている。サゴシはキズシにする。関西ではサバのキズシより格が高い。ムニエルやグラタンにしてもよい。

今年はサバも不漁で入荷が少なく高値になり、サゴシもつられて値が高いが、安いものもある。

※ サゴシのキズシは、上物を軽く塩して酢でしめる。上品な味が好まれる。

この月のおすすめ品:カツオの走り(造り、タタキ)、サヨリ、イイダコ、カレイ類

淡水魚介

アサリ(浅蜊)

アサリ(浅蜊)

水がぬるんでくると、昔から大阪湾岸一帯の海岸で潮干狩を楽しんできた。アサリは二枚貝でアサリとオキアサリが食用になる。

アサリは海岸線から10メートル以浅の砂底に生息している。産卵は初夏にする。4~5月の産卵期を前にしたものが一番美味しい。大阪市場へは浜名湖、三河 湾、伊勢湾、瀬戸内等から出荷されてくるが、国内物は激減しており、韓国、中国からの輸入で補っている。アサリの漁場を土起して潮通しをよくし、前の年の秋に生まれた種苗を移植して成長を促している。

栄養成分はミネラル、ビタミン類が豊富で、とくに造血作用があり、貧血症によいといわれている。貝類特有のうま味があり、うま味のもとのグリコーゲン、コハク酸が多い3~4月ころが旬である。

アサリは生食せず加熱調理するので、生きたものでなければならず、とくに生きのよいのが美味しい。買うときは、塩水につけて口を開け、水管のよく伸びているものを選ぶ。

食べ方は、味噌汁、酒蒸しにして食べる。

この月のおすすめ品:ヒジキ、アマゴ、トリガイ、シロウヲ

塩干魚

カマスゴ-イカナゴ(新子-玉筋魚)

カマスゴ(新子)

2月後半から3月一杯が旬。大阪湾と播磨灘で漁獲され、阪神地区に出荷されたのがカマスゴ(2年物)であり、その新子をイカナゴ(1年物)という。イカナゴ 科の海産硬骨魚で、名前は「糸のように細長い小魚」という古語に由来している。身体は長く槍状で、体色は銀白で長さ12センチ位のもの。昼は群泳するが夜 は砂中に潜る。初夏のころには東瀬戸内でとれる稚魚が美味しい。

イカナゴ(玉筋魚)

イカナゴは1年物の新子で、2年物が成魚のカマスゴという。姫路から関西一円が消費圏であり、山陽路にも消費が伸びている。関東地区では干した物を小女子(こうなご)という。

集荷は、播磨灘、大阪湾の西側、伊勢湾が主である。

3~4センチ位のイカナゴを釘煮にしたのが明石特産である。4~5年前から「生イカナゴ」が釘煮の原料として、量販店で販売されるようになった。

湯煮したカマスゴは小笊(ざる)に入れて初春の旬のもので阪神地区の名物である。

イカナゴを3ヶ月以上醤油に漬けて濾(こ)したものが香川名物の「イカナゴ醤油」である。鍋物に使い、古くからの特産である。

この月のおすすめ品:エテカレイの一夜干、ハタハタの一夜干

野菜

ナノハナ(菜の花)

ナノハナ(菜の花)

アブラナ科の葉菜類の花の総称。地中海地方で発達した油科植物で、もともとは灯油用として栽培されていたものである。日本に渡来したのは古く弥生時代といわれている。野菜で食用されるようになったのは昭和に入ってからで、全国的に栽培されている。春の風物の代表的な植物。一般に花茎を食用とする和種は主に漬 物に利用され、京都名物・ナノハナ漬は在来種の和種である。

洋種のナタネ(菜種)は花蕾(からい)が大きく主に蕾を利用する。キス、マダイ、ヒラメの白身魚の吸物のあしらいや芥子和えなどに添える。ビタミンA、C、カルシウムが豊富な緑黄色野菜である。

果物

ハッサク(八朔)

ハッサク(八朔)

1860年頃、広島県因島の恵日山・浄土寺の境内に実生として発生したものである。旧暦の8月朔日(ついたち)になると食べられるといわれて八朔の名がついた。

ちなみに旧暦の8月朔日(新暦では9月中旬頃)には、農家ではその年の新しい穀物を獲り入れて、お祝いをする慣習があった。

3月が最盛期になるが、冬でも温暖な気候である和歌山県南部では、樹上でハッサクを越冬させ、最も糖度の高くなる2月下旬頃に収穫したものを「木成り八朔」という。4月ごろになると果汁が多くなるので「さつき八朔」の名で出荷している。

果肉は淡黄色で、やや硬く、果皮は黄橙色で甘みと酸味が良く調和し、さくさくとした歯ざわりとさっぱりした味が特徴で、大玉の方が果汁が多く含まれている。ビタミン等を多く含み、高血圧、脳卒中、風邪の予防効果がある。

キヨミ(清見)

キヨミ(清見)

1949年、農林水産省果樹試験場興津支場(静岡県清水市)で、宮川早生(ミカン)とトロピタオレンジの交配によって育成したもので、清見の名称は1979年に新品種として承認されたものであり、試験場近くにある「清見潟」に由来している。

果実の大きさは150~300グラムと幅があり、糖度は12度前後でミカンの甘みとオレンジの香りがほどよく調和され、果汁が非常に多く含まれ、柔らかい果肉で袋が薄く食べやすい果実で、甘さは小さいほど糖が高くなるのが特徴である。

この月のおすすめ品:イヨカン、デコポン、ネーブル、キウイフルーツ、ハウス枇杷(びわ)