1月「船場のお雑煮・祝い膳」

お正月のお雑煮は、船場では、1日と3日が白味噌雑煮、2日がすまし雑煮でお祝いするお家(うち)が多かったようです。白味噌雑煮には、丸いおもちを焼かないでそのまま入れ、雑煮大根の輪切り、小芋、豆腐(焼き豆腐のことも)を入れます。

元日は白紙にかえり、何事も円満にと、みんな白いもの、まるいものです。お出しはもちろん昆布と鰹節でとります。2日のすまし雑煮は、関東風のお雑煮で、あずま雑煮と呼ぶお家もあったようです。昆布と鰹節でとった出しでおすましのおついを仕立て、焼いたまる餅と水菜を入れます。あるいは、関東風にのし餅を切った四角いお餅を焼いて入れるところもありました。

お正月には、必ず祝い膳が使われます。男性用の祝い膳は、朱塗りで脚が短く、金または黒で家紋を入れます。女性用は、外が黒、内が朱塗り、脚は長く蝶脚と呼 ばれる形をしています。そして、銀で女紋を入れます。この女紋がとくに大阪・京都など、関西に多く見られるもので、女性が家紋とは別に自分の紋を持っているのです。

船場の文化は、ある面では、道具の文化であったと言えるでしょう。船場の商家が何代にもわたって調え、道具蔵に納めた様々な道具類をつかって、きっちりと年中行事や先祖代々の法事を執り行ってきたのです。昭和20年の大阪大空襲は、それまで何百年かかって人々が育ててきた船場のくらしと文化を土台から破壊してしまいました。