「末廣軒」
一世紀を超えて伝える洋食

末廣軒

多くの店が軒を連ねる大阪・ミナミに、創業から110年以上を誇る洋食店「末廣軒」はあります。創業当時は、西区新町で営業していました。しかし、戦争で店は全壊。それからは、この千日前にて伝統の味を振る舞い続けています。

親子代々頑なに守られ続ける情熱やこだわり

末廣軒

1897 (明治30)年開店。創業者の末廣末次郎(まつじろう)さんは、自動車で有名なトヨタや海軍でコックを務めた腕利きの料理人でした。まだ現代ほどには洋食が親しまれていなかった日本で、洋食専門のコックをしていたというだけあり、とてもハイカラな方だったそうです。末次郎さんの料理に対する思いは真剣なものでした。ドイツに渡って洋食を修行したという経歴が、そのことを裏付けています。ドイツに渡ったというのは明治時代のこと。末次郎さんは、現在では想像もできないほどの苦労と努力をされたことでしょう。110年以上前の日本で、ひたむきに洋食に携わってきた末次郎さん。その情熱やこだわりは、親子代々頑なに守られ続けてきました。現在でも、レシピはもちろんのこと調味料にいたるまで同じ業者のものを使い続けているそうです。

温かい人情味のある雰囲気

末廣軒

末次郎さんの息子で二代目の孝さんは厳しく、職人気質な方だったそうです。「父は明治生まれですから、もともと厳格な人間だったんですけど、特に料理には厳しかったですね。料理を残したら、お客さんであろうと、代金はいらないと怒ったりして。常連客の方にも怖がられるような存在でしたよ」とにこやかに話すのは、現在店を切盛りする女将のやす子さん。気さくな雰囲気で常連客などに話しかけるやす子さんの様子からは、孝さんの厳しさなど想像もつきません。いつ訪れても、同じ味・同じ笑顔が待っている......。100年の伝統を守り続ける老舗と聞くと、敷居の高さを感じてしまうでしょう。しかし、「末廣軒」は温かい人情味ある雰囲気が漂い、そんな中で懐かしい味に舌鼓を打つことができるのです。

所在地/大阪市中央区難波1-5-3シスタービルB1
電話/06-6211-3264