鯨料理「西玉水」
明治18年の創業
すでに350年ほど前、鯨料理は大阪の家庭には欠かせない料理となっていました。その頃、紀州や土佐では鯨組というものがあり、集団で捕鯨を行っていたとのこと。しかし、大きな鯨はそれらの土地だけでは消費できません。解体され、人口の多い大阪へと流れてきていたのです。そうして、鯨の肉がたくさん入ってくる大阪では、鯨料理が家庭料理として定着していきました。
明治に入り、この鯨料理を料理店の料理として出そうという動きが加速、家庭の味である鯨料理を専門としたお店が次々と誕生することになりました。そして、その先駆けが1888(明治18)年に創業した「西玉水」。鯨肉を水菜と一緒に鍋で軽く煮る「ハリハリ鍋」を中心に、鯨料理を提供し始めました。ハリハリ鍋という名前は、食べる時に水菜が「ハリハリ」と音を出すからだといわれています。
獅子文六の小説『大番』にも登場
人気の郷土料理として定着していた鯨料理でしたが、終戦直後はとんだ誤解から客足が遠のくことになりました。終戦直後、鯨肉だと偽ってイルカの肉が配給されたことがあったそうです。イルカの肉は臭みが強いため、一時期は「鯨肉は臭いもの」というイメージが浸透してしまい、鯨の人気が落ちてしまいました。しかし、獅子文六の小説『大番』で「西玉水」の鯨料理が取り上げられたこともあり、再び人々が鯨の肉を口にするようになっていきました。
今もなお、鯨料理の伝統を守り続けている
現在、商業捕鯨が禁止されていることもあり、鯨肉は品薄。低カロリーで高タンパクな鯨肉を食べられるお店も数少なくなっています。ここ「西玉水」では、そんな状況の中、高級といわれるナガスやニタリクジラだけを使用しているとのこと。ハリハリ鍋はもちろん、お造りや天ぷら、ステーキなど多様な鯨料理が味わえるとあって、全国各地からお客さんが集まってきています。かつては、全国で消費される鯨肉の7割を消費していた大阪。鯨料理の伝統を、守り続けているお店です。
創業/1888(明治18)年創業地/西区新町
現社名/西玉水
所在地/大阪市中央区島之内2-17-24
電話/06-6211-6847