変わり串揚げ
「知留久」(しるひさ)

1946年の創業

知留久

戦時中、松村喜蔵さんは航空機製造会社に勤めていました。しかし、戦争も終了。そこで、「食べ物屋をやってみようかな」と思っていた喜蔵さんは、終戦を機に、とっつきやすそうだと感じた串揚げのお店「知留久(しるひさ)」を開くことに決めました。幸いなことに、先輩格の串カツ屋「五味八珍」の主人・岡田繁男さんから、そのノウハウを伝授してもらうことができました。しかし、その頃の大阪はまだ焼け野原。闇市が並ぶ一角に最初のお店を出すことになりました。

当時、喜蔵さんは31才。出す串は牛、豚、タマネギ、ジャガイモ、牡蠣の5種だけでした。その後、曾根崎にお店を構えたこともあり、昭和30年代に入った頃には、「もっといろんな種類の串を出して、お客さんに喜んでもらおう」と、定番の食材にこだわらないバラエティに富んだ素材を使い始めました。フォア グラや子持ち昆布、松茸やパパイヤなど、高級食材や意外性のある食材を積極的に採用したのです。その季節においしいものを中心に、約40種類もの多様な串を登場させて、たちまちに評判となりました。

熟練の技とこだわりのタレ

知留久

油はヘットとラードを半々に。この配分も季節によって微妙に調整するそうです。揚げる温度は180~190度。それぞれの食材によっておいしく揚がる時間が異なりますが、熟練の技でそれぞれのちょうどいい頃合いに鍋から串を引き上げます。出されるタレはカラシ、醤油、豚カツソース、塩、ウスターソースの5種。すべて、自家製です。特に、ウスターソースは喜蔵さんが50~60種もの材料やスパイスを煮込んで作る秘伝の味。

法善寺店もオープン

知留久

現在も、喜蔵さんはデパートの食品売場を見て回るのを日課にしています。串揚げにしたらおいしいと思われる食材をまだまだ探求中なのだそうです。お店にあるメニューは「おまかせコース」と「旬彩コース」の2種。「おまかせコース」は、多様な串揚げがおまかせで次々に揚げられます。こちら側からストップをかけるまで最大30本ほどを食べられます。「旬彩コース」はその時期のおすすめの串が15本いただけます。それぞれのネタにぴったりのタレはカウンター越しに教えてくれます。秘伝のタレとともにアツアツの串を楽しめます。

創業61年目の平成18年冬に、ミナミの水掛不動さんの右隣MEOUTOビル1Fに、法善寺店を開店。現在、曽根崎本店、梅田阪急店、梅田OSホテル店、法善寺店の4店舗で展開しています。

創業/1946(昭和21)年
創業者/松村喜蔵
創業地/梅田
現社名/知留久(しるひさ)
所在地/大阪府大阪市中央区難波1丁目2-10
法善寺MEOUTOビル1F
TEL/06-6211-4673