缶詰カステーラ「長崎堂」

缶詰カステーラ「長崎堂」

大正8年の創業

創業者の荒木源四郎さんは、明治20(1887)年に長崎三菱造船所に入社。51歳で退職してからは、企業家として活躍していました。トーマスグラバー氏との交遊により長崎で初めてのトロール船漁業を始めたほか、現在の新神戸電機創業時には蓄電池式集魚灯を発案するなど、豊かな発想力と行動力を持ち合わせていました。

缶詰カステーラ「長崎堂」

東シナ海を経て南蛮菓子が日本に渡来したのは、今からおよそ400年ほど前のことでしたが、それらの菓子の中の代表的なものがカステーラでした。源四郎さんは、大正8(1919)年に、長崎市千馬町(現大波止)でカステーラ業を創業。大正12 (1923)年に、カステーラ業界としては初めて大阪へ進出し、合資会社「長崎堂」を設立。また、天神橋南詰に本店長崎堂を開店しましたが、カステーラに馴染みの少ない大阪では、顧客開拓の苦労を味わいました。

「缶詰カステーラ」の誕生

缶詰カステーラ「長崎堂」

源四郎さんは、長崎堂ならではの製品作りに熱心に取り組みました。出来たて同様の味をいつでも楽しんでもらいたいと苦心と試作を重ねた末、カステーラの一番の弱点だった「日持ち」を良くすることに成功。昭和8(1933)年に「缶詰カステーラ」が誕生したのです。

特許も取得したその「缶詰」。缶に食品を詰めるというのは、とても珍しいと話題 になりました。また、カステーラは栄養価も高いため、戦地慰問用やヒマラヤ登山隊の携帯食としても活躍。缶を開ければ漂う特有の香りや、しっとりとした甘味が大好評となりました。

今も親しまれ続けている長崎堂のカステーラ

缶詰カステーラ「長崎堂」

また、昭和57(1982)年には「復元カステーラ」を販売。昔ながらの製法でつくるカステーラは、ヨード卵と最上級の砂糖を使用した重厚で贅沢な味わいに、作家の武者小路実篤氏もエールを送っていたそう。そして現在も、長崎堂のカステーラは、子供から大人まで安心して食べられる良質のお菓子として、多くの人に愛され親しまれ続けています。

創業/1919(大正8)年
創業者/荒木源四郎
創業地/長崎県千馬町
現社名/株式会社長崎堂
(本店:大阪市中央区心斎橋筋2-1-29電話06-6211-0551)
http://www.nagasakido.com